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中将棋連盟競技規則・総則編(2004年度版)

一.中将棋の概要
 中将棋は縦12マス・横12マス、計144マスの盤上に、敵・味方各46枚・計92枚の駒を配置し、交互に一手ずつ指し進めていくゲームである。
 中将棋では取った相手の駒を再び使うことはできず、全て取り捨てで行うゲームである。
 駒の種類は初期配置の時点で21種類、成り駒も含めると29種類の駒が存在する。

二.勝利規定

 1.  敵の王将(玉将)を詰める、あるいは自軍の駒で敵軍の王を倒した(これを「突き落とし」と言う)場合に、勝ちとなる。
 <敵将を詰めることが目的の本将棋とは異なる>
 2.  ただし、敵軍に太子がいる場合は、これも倒さなくては勝ちにはならない。
 3.  指し手が対局途中で自ら負けを申し出た場合、これを投了といい、申し出た側の負けとなる。
 4.  両軍がともに駒を消耗しあい、駒枯れの状態になった場合、玉将2枚と成金1枚だけが盤面に残ったときは成金のある側が勝ちとなる。
 <決して成金の駒だけが対象というわけではなく、玉将に加えてもう一枚生き残った側が勝ちということを表現している>
 5.  ただし、四.に定める歩兵・香車の死に駒(行かずの駒)は前項4.の勝敗判定に加えない。
 6.  もし、駒枯れでともに相手を詰めることが出来ないという展開になった場合は、両者の合意によって引き分けと決める(これを「持将棋」と言う)。再対局を行なう場合、先手後手を入れ替えての再対局となる。
 7.  対局相手が反則手を指した場合、六.に定める規定に従い、反則負けとする場合がある。

三.駒について

  中将棋の駒は全部で29種類あり、それぞれをその駒の性能にあわせてグループ分け(格付け)されている。
 (赤文字は成り駒専用・青文字は不成・成り共に登場する駒)

  ・ 「歩」の格…歩兵.仲人.
「小駒」の格…猛豹.銅将.銀将.金将.盲虎.酔象.麒麟.太子(玉将)
「走り駒」…香車.白駒.反車.鯨鯢.竪行.飛牛.横行.奔猪
        飛鹿飛車龍王角行龍馬.鳳凰.
「大走り駒」…奔王飛鷲角鷹
「獅子」…獅子
「王・玉将」
 別格。
 ただし、太子が共にいる場合はどちらか一方が小駒、太子のみが残っている場合は太子を別格として扱う。

・駒の性能および駒の配置は別途解説する。→中将棋の駒 中将棋盤

四.成り・不成りの規則

 1.  駒は、敵陣の外より敵陣の4段目(歩兵の初期配置された段)以奥に進んだ場合に成る機会が与えられる。
2.  不成で進んだ場合、一度敵陣より外に退き再度敵陣に進入した時に、再び成る機会が与えられる。また、不成の駒が敵駒を取った場合(敵陣内での捕獲・または敵陣から退く形での捕獲)は、その時点で成る事が許される。
3.  歩兵が不成で進んだ場合、敵駒を取るかあるいは敵陣の最後段まで進んだときに再び成る機会が与えられる。<歩兵の救済措置>
4.  歩兵および香車が最後段まで不成で進んだ場合、その場で死に駒(行かずの駒)として扱う。
5. 通信での対局に限り、香車の不成後の扱いも3.の歩兵に順ずるものとする。

五.着手及びお手付き

 1. <指し駒の定義>
 指し手は駒が盤面より完全に離れた瞬間、あるいは駒の全てが移動元のマス目より外に出た瞬間を指し駒の成立とする。
2. <着手の完了の定義>
 指し駒の成立後その駒を移動先のマス目に置き、指し手の指先が離れた瞬間を着手の完了とする。これ以降の変更は許されない。
3.  指し手は指し駒が成立した後、その指し駒を変更することはできない。もし相手の手番に1.に定義する状態が成立した場合はお手つきとし、直後の自分の手番でそのお手つきの駒を必ず指し動かさなくてはならない。
4.  ただし、3.に定めるお手つきをした駒が配置上身動きの取れない駒だった場合は、例外的にお手つきを許すものとする。ただし、同一の対局中に二回まで。三回目は六.の反則の扱いとする。

 補足  この規定に関しては、対局会・棋戦での特別の取り決めがある場合に用いられる物で、一般の対局では、対局者同士の事前の取り決めによって適切に運用されることが望ましい。

六.千日手・禁じ手・反則

1.  千日手は、仕掛けた側が別の手を指さなくてはならない。千日手の成立条件は日本将棋連盟が定める本将棋の規定に順ずるものとする。
 同一局面(駒の配置が同じ)が4回起きた場合に、その4回目の局面となる手のみを戻し、別な手を指すものとする。また、連続王手の千日手の場合は王手を仕掛けた側が手を変えなければならない。
2.  禁じ手・反則は以下に定める行為を指す。
a.  駒の動き方を間違えて指す。また、成れない駒が成ったり、裏側の駒が表に返ることも含む。
b.  手番の順番を間違えて指す。
c.  差し手の変更(通称・待った)
d. 五.の4.に定める行為。
3.  反則についての扱いは以下の通り規定する。
a.  原則として反則行為をした者の負け。ただし、対戦相手の許可があれば手を戻して対局を続行することができる。
b.  反則が数手進んでから気付いた場合は、そのまま対局を進めるか、そこまで手を戻すか、反則負けにするかを対戦相手が決めることとする。
c.  反則が終局に至るまで気付くことなく、勝敗が決まってしまった場合については、その勝敗結果を優先する。
d.  双方が反則をして気付かず進んだ場合(甲が先に反則し、乙があとに反則)

 乙が甲の反則に対し、「このまま行こう。」といった後の場合は、乙の反則に対しb.を適用。(ただし、甲は乙を負けにしてはならない)

 そうでない場合(同時に反則に気付いた場合)は、双方協議の上、
 (1)甲が反則する前の局面まで戻る。
 (2)乙が反則する前の局面まで戻る。
 (3)そのまま続ける。
 (4)引き分けとして指し直す。
のどれかを選択する。

七.獅子の特殊規定

 1.  獅子同士が隣接している場合は、無条件で相手の獅子を獅子で取ることが出来る。
2. 獅子の足
 獅子同士が1マス間を空けて隣り合っている場合(お互い獅子の利きに入っている状態)で、獅子に足の有る場合(足とはつなぎ駒、つまり自分の駒の利きで獅子を守っている場合)、その獅子を取ることが出来ない。足が無い場合は取ることが出来る。
3. ウラ足・かげ足
 もし、自分の獅子に足が無く、足のある相手の獅子に攻められた場合、その相手の獅子をまたぐ形で自分の獅子に走り駒の利きをおいた場合、ウラ足といってこれも取ることが出来ない。
4. 先獅子
 敵の獅子に、自分の獅子以外の駒が当たった場合は、無条件で取ることが出来る。この場合、自分の獅子に足がついている場合は先獅子の特約が発動し、敵側は直後の一手で獅子を取り返すことが出来なくなる。これを先獅子の得という。
5. 獅子の付け食い
 獅子と獅子の間に敵の駒がある場合、この駒を取った上で相手の獅子も一緒に取ることが出来る。これを付け食い(喰い添え)という。
 付け食いのあとは、すぐに敵のつなぎの駒で取り返すことが許される。これを獅子を討つという。ただし、歩兵と仲人は付け食いの対象とはならない。


下に、具体的な例を示す。

二.獅子の足

 
               
               
               
             
             
               
               
               
               
 この状態では、どちらの獅子にも角行・飛車それぞれがつなぎ駒として、味方の獅子を守っている。
 こういう状態の時は、獅子で獅子を取ることは出来ない。つなぎの駒はどんな駒でも構わない。

 注意して頂きたいのは、獅子の間に1マス間が空いている状態であること。つまり、「中将棋の駒」に載せている獅子の図で、Bの行動範囲に敵の獅子がいる状態を、指している。
 隣接した状態、つまりAの範囲内に獅子がきた場合は、無条件でその獅子を取ることが出来る。


三.ウラ足・かげ足

 
               
               
               
               
               
               
               
                 
               
 ▲7七角行がいなかった場合、1一▲獅子は足が無いので、次の後手番で▽獅子にただ食いされてしまう。
 それを防ぐには、相手の▽獅子を挟んで▲7七角行と指せば、これも足と認められて、▽獅子は▲獅子を取ることが出来なくなる。
 これをウラ足、またはかげ足と言う。この足は、どうしても走り駒でしか出来ないので、規定にも走り駒と明記されている所以である。


四.先獅子の特約

 
         
         
         
       
         
         
 相手の獅子を獅子以外の駒で取ることは、足のあるないに関係なくいつでも可能である。
 この図では、どちらの獅子にも相手の駒が当たっている。
 このような場合、先に相手の獅子を取った側は、自分の獅子に足が利いていることを条件に先獅子の特約が発動し、相手側は、直後の一手で獅子を取り返すことが、出来なくなる。

 また、自分の獅子をとられた場合、一度王手をかけて1手防がせた後に相手の獅子を取りに掛かることを「後獅子」と呼ぶ。


五.付け食い

 
         
       
           
           
         
         
 これは、二.の駒図に近いものだが、ここでは、獅子と獅子の間に銀将がいる。
 このような場合、▲獅子は2二・1一と指して、銀将・獅子の2枚取りが許される。
 この時、間にいた駒のことを、付け食いの駒(喰い添えの駒)と呼ぶ。

 <ただし、歩兵・仲人は付け食いの対象にはならない。>

 付け食いで獅子を取った場合は、▽の飛車で、直ちに討ち返すことが出来る。これを、獅子を討つ、と言う。
 また、より複雑な図面は、別途紹介している。ルール・補足編を参照されたい。



八.獅子・飛鷲・角鷹の「じっと」について

 じっととは、二手移動のできる獅子・飛鷲・角鷹が一手目で隣接のマスに動いた後、元の位置に二手目で戻ることをさし、局面上駒が動くことなく手番を相手に移すような形になるため「じっと」と呼ばれている。ただし以下の条件ではじっとを行使することが出来ない。

1.獅子が隣接する8マス(居食いの出来る位置)すべてに敵味方の駒あるいは盤面の端によって移動先が埋まっているとき(初期配置の獅子も同様)。

2.飛鷲・角鷹の居食いが出来る位置に敵・味方の駒が埋まっているとき、または盤面の端によって移動先が遮られているとき。

 また、対局者双方がじっとを繰り返し、同一局面が起きた時は千日手となるため、最初にじっとを仕掛けた側が手を変えなければならない。


九.持将棋について(解説)

 
       
         
         
         
     
       
 持将棋とは、ともに駒枯れで王手がかけられない状態を、指す。

 左の図の場合、先手が「▲1四酔象成る」で太子となり、その次、後手は「▽2五獅子」と指し、さらに「▲同太子」で、盤面上にはともに王(太子)のみとなってしう。
 この場合、ともに王手がかけられないので持将棋が成立し、引き分けとなる。

 なお、2五獅子と指した時点でその瞬間、駒枯れの勝利規定が成立するように思えるが、すぐに太子が獅子を取り返せるので、この場合は持将棋となる。

 
       
   
         
       
         
<後手側の負けのケース>

 一見すると、勝負がつかないように思えるが、先手は獅子の「じっと」が出来るのに対して、後手は駒を動かさざるを得ない。
 3列目に獅子が近付いた時点で合い駒利かずの王手となり、負けである。
 それゆえ、盲虎が動いた時点で負けが決まる。

 もちろん、先手がミスをして盲虎と相討ちにでもなってしまえば、勝敗は変わるが、そんなことにならない限りは、先手の勝ちである。

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